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【主張】カヌーの薬物混入 現場の危機感が薄すぎる

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【主張】
カヌーの薬物混入 現場の危機感が薄すぎる

 日本のスポーツ界が誇った「高潔」な姿勢は、どこに行ったのか。

 2020年東京五輪を目指すカヌー日本代表候補の鈴木康大選手が、ライバル、小松正治選手の飲料に禁止薬物を混入した。公平・公正という競技の大前提を覆す、あまりに愚かな手口には、強い憤りを覚える。

 石川県で昨年9月に行われた大会での問題である。混入されたのは筋肉増強剤で、検査に陽性反応を示した小松選手は、暫定的な資格停止処分を受けていた。

 悪意に満ち満ちた行為であり、健康を害する恐れもあった。日本カヌー連盟は鈴木選手の除名を検討しているが、厳しい対応をためらってはならない。

 鈴木選手は約8年前から、5~6人のライバル選手にも用具を壊すなどの嫌がらせをしていたという。強化現場を把握していれば今回の行為は防げたはずで、連盟の手抜かりは明白だ。

 現場の競技会場では、各選手の飲料の保管が十分になされていなかった。ドーピングへの危機感を欠いた日本スポーツ界の現状を象徴する事案といえる。

 東京五輪の開催が決まった時点で対策も国際基準に引き上げておくべきで、「日本選手に限って」という根拠のない思い込みに競技団体が毒されている証左だ。

 海外では飲食の場での異物混入を警戒するのが常識だ。トイレなどで席を空ける際は、信頼できる人に目配りしてもらうほど神経を使うという。大多数の潔白な選手を同じ目に遭わせないためにも、最新の反ドーピング情報に通じた専門家の充実や必要な法整備を図るなど、競技を支える側の危機管理は焦眉の急である。

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