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【スポーツ茶論】正木利和 「ボクシングの虫」のうずき

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【スポーツ茶論】
正木利和 「ボクシングの虫」のうずき

 海外の選手ばかりではない。日本にだって、世界王座を奪取しながら無敗のまま引退した新井田豊(39)のようにカムバックして再び世界王者となり7度も防衛した選手がいる。

 また、そのファイティングスタイルから90年代に人気を博したカリスマ、辰吉丈一郎(47)のように2009年以来リングから遠ざかり、プロとしてのライセンスもとっくに失効しているにもかかわらず、もう一度リングに上がる日を夢見て、いまなおジムワークやロードワークをやめようとはしない男もいる。

 ボクサーは厳しい練習や過酷な減量に耐え、光り輝くリングの上に立つ。その異様な興奮がひとたび脳に焼き付けられると、もういけない。華やかな世界が忘れられなくなるらしい。

 だから、活躍すればするほど去るときの反動も大きい。以前、日本人で史上3人目の世界2階級制覇を遂げた井岡弘樹・西日本ボクシング協会会長(49)に、引退するときの胸中を聞いたことがある。「これからどうしようって、不安でしかたなかったんです。だから1年ほど毎日酒飲んで、カラオケ行って気をまぎらせてました」

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