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【日曜に書く】きょうは「人日」…人の道たる「道徳教育」の歴史をたどってみた 論説委員・山上直子

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【日曜に書く】
きょうは「人日」…人の道たる「道徳教育」の歴史をたどってみた 論説委員・山上直子

易しく難解な教育勅語

 その後、学制に代わって教育令(同12年)が、そして小学校令(同19年)と続く。

 「近世にはほとんど武士だけが習得していた朱子学的な道徳が、すべての『臣民』に拡大されたのが、まさに明治10年代以降のことだと思います」と和崎さん。

 興味深いのは、富国強兵を掲げた当初は読み書きや技術の習得が優先されたが、自由民権運動がさかんになってくると「修身」が重要視されるようになる。明治13年には「筆頭教科」になった。明治天皇が語る形で国民道徳、そして国民教育の基本理念を示す教育勅語が発布されたのは明治23年である。

 そこには庶民の道徳から朱子学の道徳、西洋の博愛、日本書紀の一節まで、国内外の多くの要素が集められていた。だからわかりやすい部分と非常に難解な部分とが併存し、理解を難しくしているのだという。

先人に敬意を

 起草者の一人、井上毅は天才だと思うが、その内容が、日本固有の倫理の上にありながらも、同時に世界に理解される普遍的なものになることをめざしたからだろう。「当時の現場の先生でも、その中身をきちんと読んで、理解できた人がどれだけいたでしょうか」という和崎さん。

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