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【正論・年頭に当たり】「平成」最後の1年を迎えて思う 国民に教えた「象徴天皇」の存在 評論家・山崎正和

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【正論・年頭に当たり】
「平成」最後の1年を迎えて思う 国民に教えた「象徴天皇」の存在 評論家・山崎正和

評論家・山崎正和氏 評論家・山崎正和氏

 今年は、平成という一時代の終わりを準備する1年となる。国民としては感慨深い1年だが、天皇陛下ご自身にとってはどうなのだろう。来年の4月末までに、まだいくつか最後のご公務が残っているわけだが、その折々に触れて、何か特別のお気持ちを滲(にじ)ませられることはあるのだろうか。

≪ご公務の柱として選ばれたのは2つ≫

 今回の譲位が国民に教えたことは、「象徴天皇」というものがどういう存在かを考え、それを生きて見せられたのは、天皇陛下お一人だったという事実である。

 憲法は無責任に天皇陛下を国民統合の象徴と位置づけただけで、人間が象徴として生きるとはどういうことかを考えていない。人間には何かをする義務と権利があるはずだが、その具体的な内容と範囲はもちろん、そのやめ方すらご自身の叡断(えいだん)に任せてきた。

 どんな日常を過ごし、何をご公務として選ばれ、どのようなお言葉を国民に下さるかは、すべて天皇陛下ご自身が身をもって創造されてきた。そのことは昭和天皇と今上陛下のお振る舞いの違い、お言葉の文体の違いを見てもわかる。天皇が人間であることを宣言されたのは先帝だが、それを実現して国民との距離を一段と縮められたのは今上陛下である。

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