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【正論・年頭にあたり】「普通の国」同士の同盟活性化は今年からだ 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

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【正論・年頭にあたり】
「普通の国」同士の同盟活性化は今年からだ 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

杏林大学名誉教授・田久保忠衛氏(瀧誠四郎撮影) 杏林大学名誉教授・田久保忠衛氏(瀧誠四郎撮影)

 昨年暮れに雑誌編集者と会っていたら、「トランプ米大統領に明け暮れた1年だった」ともらしたが、妙に実感がこもっていた。

 世界第2の経済、軍事大国にのし上がった中国に世界の目は注がれているが、オバマ前政権以来とみに対外的コミットメントを手控えてきた米国にトランプ政権が誕生し、公然と「米国第一主義」を唱え、実行し始めたところに、国際情勢激変の一要因があったと考えなければならない。

≪米国に欠ける指導性と存在感≫

 戦後、トルーマン大統領の下でアチソン国務長官が着手した西欧型民主主義拡大と貿易自由化の骨組みに衝撃が加わったが、トランプ政権も昨年暮れに「国家安全保障戦略」を公表して、ライバル強国と同盟国を区別するなど、軌道修正を強いられているようだ。

 エール大学のポール・ケネディ教授が冷戦終焉(しゅうえん)前に書いた『大国の興亡』が注目を浴びたように、米国にとって大英帝国など大国の盛衰の歴史は気になるようだ。

 オバマ政権が生まれる前年に『フォーリン・アフェアーズ』誌は「米国は衰退しているのか」とする特集を組んだ。評論家のファリード・ザカリア氏と米外交問題評議会会長リチャード・ハース氏による2論文が中心で、前者は米政治の無能と大国の台頭への適応を克服できれば、米国の地位は揺らがないと論じたのに対して、後者は、世界が分極化して国民国家よりも非国家的な国際機関の影響力が強まるなど、米一極時代は終わるものの、平和維持への役割は不変だろう、と説いた。

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