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【マーライオンの目】緊張高まる戌年

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【マーライオンの目】
緊張高まる戌年

 シンガポールでの年越しは5回目だが、街頭の警備が例年になく厳しい。自動小銃を携えたベレー帽姿の巡回班を目にすることが増えた。9%のインド系の一部や13%のマレー系市民はイスラム教徒。「職務質問を受けるのは、ほとんどが彼ら」。74%を占める華人の知人は、民族融和の努力に水を差しかねないと、過激派対策に複雑だ。

 隣国マレーシアでは、昨年11月末からの半月で、テロ活動に関与したと、フィリピン人やインドネシア人を含む20人が拘束された。パキスタン発タイ行きの航空便では12月23日、機内に拳銃などを持ち込もうとした「イスラム国」(IS)メンバーらしきマレーシア人の男が逮捕された。中東からIS過激派が帰国し、東南アジアは「テロ本番」を迎える。記者生活も20年あまりになるが、年の変わり目は今も、大事件が起きないかと緊張する。

 緊張といえばもうひとつ。他紙が元日にあてて特ダネを載せていないか。担当分野で抜かれていれば、休刊日もおとそもなく、新年初日から後追い取材だ。自分で特ダネを書いていれば余裕も出ようが、結果はご覧の通り。ネット時代になっても、昭和世代の先輩記者から受けてきた叱責の呪縛は解けない。年男となる戌年につき、鼻をきかせて足を使い、挽回いたします。(吉村英輝)

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