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【日曜に書く】紅勝て、白勝て、日本勝て! 荘重な鐘の音を聞きながら忍び寄る危機に思いを致し祈りたい 論説委員・清湖口敏 

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【日曜に書く】
紅勝て、白勝て、日本勝て! 荘重な鐘の音を聞きながら忍び寄る危機に思いを致し祈りたい 論説委員・清湖口敏 

 卑劣な勝利は武士として恥ずべきものだが、かといって負けてしまったのでは喧嘩の意味がない。討ち入りを急げば吉良側や幕府の警戒網に捕まり、全員がむざむざと斬り殺され、主君の恨みは晴らし得ない。後に吉良家が断絶し、結果的に喧嘩両成敗となったのも、大石の才による戦略的勝利といえよう。

◆戦う以上は…

 戦う以上はまず勝つ、それも美しく勝つのが本来の武士道というものではなかろうか。にもかかわらず『葉隠』が「勝負は末なり」「時の行き懸(がか)りにて勝負はあるべし」(勝ち負けは枝葉のこと、時の運)と断じたのは、もはや戦乱で武士が死ぬこともない元禄の太平ムードが背景にあったからではないか。

 翻って現在のわが国は、近隣諸国からさまざまな「戦」を仕掛けられ、とても太平とは呼べない緊迫した状況を強いられている。北朝鮮がいつミサイルを日本に撃ち込んでくるか、中国がいつ尖閣諸島に上陸してくるか、全く予断を許さない。

 日本の抑止力はといえば極めて脆弱(ぜいじゃく)で、国民を守るために防衛省が長距離巡航ミサイルの導入を決めても、国内にはすぐに「専守防衛に反する」といった批判が噴き出す。日本の領土が乗っ取られ、あるいは焦土と化すのを座して待てというのか。

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