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【正論】明治150年をどう迎えるか 現代を生きる「自画像」を指導者も国民も手にしていない 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

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【正論】
明治150年をどう迎えるか 現代を生きる「自画像」を指導者も国民も手にしていない 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

 あと3日で今年も暮れる。明けて始まる平成30年は明治150年でもある。新天皇即位の後、慶応4年9月8日に元号が明治と改められて150年がたつ。徳川幕府を倒し新政府を樹立、“ご一新”と呼ばれる天皇親政の中央集権国家への転換が明治維新であり、この維新こそが近現代日本の生成発展の「基点」である。

≪「旧来の陋習」を破った維新≫

 明治維新とは、薩長を中心とする雄藩が古代に淵源(えんげん)をもつ天皇を権威の象徴としてアンシャンレジーム(旧体制)に挑戦、新国家建設に向けてエネルギーのすべてを噴出し、これに成功した革命であった。その遂行により初めて明治維新が成ったといっていい政治的達成が、廃藩置県であった。

 廃藩置県とは徳川幕府を中央政府とし、多分に自立的な二百数十の諸藩を地方政府として全国に配し形作られていた地方分権的な幕藩体制から、中央集権的国家体制へのシステム転換であった。徳川幕府は石高を減封の上で駿府に移封、各藩の藩主と武士団も身分と家禄を手放さざるを得なかった。

 旧体制の既得権益のことごとくを奪い、その上に主権国家を建国していくという難業に挑んだ時代が明治であった。明治維新の基本精神を明示したものが五箇条の御誓文である。明治維新の開明性をこれほど端的に示した文書も他にあるまい。

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