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【正論】米国の北への武力行使はあるのか…過去の「米朝対話」から学ぶ教訓 防衛大学校教授・倉田秀也

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【正論】
米国の北への武力行使はあるのか…過去の「米朝対話」から学ぶ教訓 防衛大学校教授・倉田秀也

防衛大学校教授の倉田秀也氏 防衛大学校教授の倉田秀也氏

 過日、ティラーソン米国務長官が北朝鮮との「前提条件なし」の対話の意思を表明し、核実験、ミサイル発射の停止を求めた。北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」発射を受け、米国が「テロ支援国リスト」に北朝鮮を再指定するなか、この対話提議は苦渋の選択の感も拭えない。しかし、「前提条件なし」か否かはともかく、トランプ大統領が北朝鮮との協議を一度も持たずに武力行使を決断するとも考えにくい。

 ≪北が狙う武力不行使の確約≫

 「火星15」発射を受け、金正恩朝鮮労働党委員長は、「ついに国家核戦力完成の歴史的大業、ミサイル強国が実現した」と述べたという。ただし、北朝鮮が米本土を打撃できるICBMを運用するにはまだ課題は残されている。ICBMが「完成」に近づいたのは確かにせよ、それを完了形で断言できる水準には達してはいない。

 北朝鮮がICBMを完成させれば、米国の武力行使は米国市民を犠牲にしかねない。言い換えればICBMが完成に近づけば、米国の武力行使の可能性は高まらざるをえない。もとより、北朝鮮にICBMを放棄する意思はない。核戦力に雲泥の差がある米朝間で軍備管理の余地はない。そこで北朝鮮が米国に求めるのは、武力不行使の確約であろう。

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