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【主張】ビル火災 全国で防災対策の徹底を

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【主張】
ビル火災 全国で防災対策の徹底を

白煙を上げる建物と消火活動に当たる消防隊員ら=17日午後2時25分、さいたま市大宮区(近隣住民提供、画像の一部をモザイク加工しています) 白煙を上げる建物と消火活動に当たる消防隊員ら=17日午後2時25分、さいたま市大宮区(近隣住民提供、画像の一部をモザイク加工しています)

 さいたま市大宮区の風俗店が入るビル火災で5人が死亡した。韓国中部の堤川市のビル火災では50人以上が死傷した。いずれもずさんな防火、防災態勢が招いた惨事とみられている。

 大宮のビルは3階建てでエレベーターはなく、屋内2カ所の階段のうち南側の1階部分は撤去されていた。昨年6月にはさいたま市消防局が立ち入り検査を行い、避難経路に障害物があるとして改善を指導していた。これらの不備が客や従業員の逃げ遅れにつながった可能性もある。

 同様の事故では、平成13年に東京都新宿区歌舞伎町の風俗店が入る雑居ビルで44人が死亡する火災があった。

 これほどの被害を出したのは防災態勢の不備が要因だったためとし、ビルの実質的オーナーやテナントの経営者らが業務上過失致死傷の疑いで逮捕された。

 この悲劇を教訓として消防法が改正され、消防機関による立ち入り検査を事前通告なしに行うことができ、火災予防上危険であると認められた場合にはその場で命令できるようになった。これに従わない場合の罰則も強化された。

 その後も、宿泊施設や診療所の火災などで多くの被害者を出す度に、スプリンクラーや自動火災報知設備の設置に関する法改正が繰り返されてきた。だが大宮の火災は、是正が十分に進んでいない実態を明らかにしている。

 新宿の火災後に消防庁が全国の小規模雑居ビル約8400件を対象に立ち入り調査したところ、9割を超えるビル、店舗に何らかの消防法違反が認められた。

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