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【日曜に書く】毎年見るのは去った時代への懐旧にすぎない そろそろ「紅白」卒業か 論説委員・鹿間孝一

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【日曜に書く】
毎年見るのは去った時代への懐旧にすぎない そろそろ「紅白」卒業か 論説委員・鹿間孝一

 NHKは「紅白音楽合戦」と名付けようとしたが、GHQ(連合国軍総司令部)からクレームがついた。企画書で「battle(戦争)」と英訳したため「敗戦国が何事だ」。で、「match(試合)」に変えて、ようやくOKが出た。

 ◆成功した「3つのS」

 太田省一著「紅白歌合戦と日本人」(筑摩選書)によると、企画したNHKプロデューサーの近藤積(つもる)さんには、ある発想があったという。3つのS、すなわち「セックス」「スポーツ」「スピード」である。

 「男性と女性、これは絶対的なもので、紅白ふたつのグループが男女に組み分けされるということは、番組構成上最大の武器となっている」

 男女対抗は体格や体力差が影響するスポーツではありえないが、歌だからこそ、男女平等、ハンディなしのゲーム展開が可能になる。

 そこにスピード感あふれる演出によって、どちらが勝つか視聴者をハラハラさせ続けるスリルを加える。

 男女平等は米国型の民主主義を植え付けようとしたGHQの占領政策にも合致する。

 余談だが、第1回紅白歌合戦は白組が勝ち、藤山さんの音頭で「エイ、エイ、オー!」と勝ちどきをあげたそうだ。GHQが怒りそうだが、もはやクレームはなかった。

 ◆消えた昭和の残像

 歴代最高視聴率は昭和38(1963)年の81・4%である。「国民的」と呼ぶにふさわしい驚異的な数字だ。

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