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【新聞に喝!】パンダの裏に潜む怖い現実…もっと踏み込んだ調査報道を 神戸大学大学院法学研究科教授・簑原俊洋

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【新聞に喝!】
パンダの裏に潜む怖い現実…もっと踏み込んだ調査報道を 神戸大学大学院法学研究科教授・簑原俊洋

好奇心旺盛で木登りが上手になったシャンシャン=9日、東京・上野動物園(東京動物園協会提供) 好奇心旺盛で木登りが上手になったシャンシャン=9日、東京・上野動物園(東京動物園協会提供)

 前述の記事はパンダ外交について小さな解説を加えており、中国政府がパンダを外交の道具として利用していることや貸与にはレンタル料を支払う必要があることについて言及しているが、この程度ではやはり物足りなさは否めない。

 実際、中国政府は1頭当たり年間1億円以上と報じられるレンタル料を徴収し、中国共産党の懐を肥やすだけではなく、同国のソフトパワーを高め、自らの立場を認めさせるための戦術的な「武器」としてパンダを駆使している。そもそもパンダの希少性は中国政府が人為的に作り出しているものだが、日本のパンダ報道ではこうした諸事実はほとんど語られない。

 日本の新聞の特徴のひとつとして、個々の記事が概して短いことが挙げられよう。多くの記者が悩むところであろうが、限られた字数内で原稿をまとめる必要があるため、どうしても事実が優先され、背景説明はついおろそかにされてしまいがちになる。

 そんな中でも、調査に依拠した本質をえぐる連載に積極的な産経の姿勢は評価したい。念頭にあるのは、最近では対馬への韓国人観光客の流入と不動産買収の現状を示した「異聞 防人の島・対馬」、そして中国の台湾への浸透の実態に光を当てた「紅い統一工作」などだ。いずれも事象の背景を丁寧に解説しつつ、現況に警鐘を鳴らした読み応え十分の連載だった。

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