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【主張】国民栄誉賞 変化激しい時代の指針に

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【主張】
国民栄誉賞 変化激しい時代の指針に

永世七冠を達成し、日本記者クラブで会見する羽生善治氏=13日午前、東京都千代田区(飯田英男撮影) 永世七冠を達成し、日本記者クラブで会見する羽生善治氏=13日午前、東京都千代田区(飯田英男撮影)

 将棋で「永世七冠」を成し遂げた羽生善治棋聖(47)と、10月に自身2度目の七大タイトル独占を果たした囲碁の井山裕太七冠(28)に、国民栄誉賞が贈られる見通しとなった。棋士では初めての栄誉で、2人の偉業に敬意を表したい。

 羽生棋聖は初タイトルの獲得から28年で永世七冠に到達した。タイトル獲得数は99期で、現役2位の谷川浩司九段(27期)を引き離している。四半世紀以上も将棋界の先頭を走り続け、それでも、これだけの歳月を要した。

 井山氏は昨年4月に全冠制覇した後、一時は六冠に後退した。約1年ぶりの七冠復帰は、心技体を常に高い位置で保ち続けた成果である。どちらも情熱の持続があってこそ、なし得た記録だろう。

 羽生棋聖の言葉から見えてくるのは、リスクを背負う意志の強さだ。過去の成功体験に過度にもたれかからず、「ある程度不利になるのを承知で、新しい手を指す」と語っている。新たな発想は、実戦で試すことでしか成否の答えが出ないのだという。

 勝負の世界にかぎらない。ビジネスの分野や進路を模索する若者にとって、第一人者の言葉は貴重な指針となるはずだ。

 囲碁・将棋は伝統文化でありながら、近年は情報化の波にもまれてきた。人工知能(AI)を備えたソフトはプロを超え、棋士の存在意義が問われている。

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