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【主張】伊方停止の決定 阿蘇の大噴火が理由とは

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【主張】
伊方停止の決定 阿蘇の大噴火が理由とは

四国電力伊方原発。(右上から反時計回りに)1号機、2号機、3号機=愛媛県伊方町(本社ヘリから) 四国電力伊方原発。(右上から反時計回りに)1号機、2号機、3号機=愛媛県伊方町(本社ヘリから)

 再稼働済みの四国電力伊方原子力発電所3号機(愛媛県伊方町)に対し、広島高等裁判所が運転停止を命じた。

 広島地方裁判所は、地元住民から出された運転差し止めの仮処分申請を3月に却下していた。高裁判断は、これを逆転させたものである。

 同高裁は、運転を認めない理由として、伊方原発から130キロの位置にある阿蘇山の巨大噴火を挙げた。

 9万年前の破局的噴火の規模なら、火砕流が到達する可能性は否定できないとした。

 あまりに極端だ。そうした噴火が起きれば、原発以前に九州全体が灰燼(かいじん)に帰するではないか。

 高裁は、逆転決定の理由の中で、想定したレベルの破局的噴火の発生確率が「日本の火山全体で1万年に1回程度」であることを認めている。

 また、その種のリスクを、無視し得るものとして容認するという社会通念が、国内に定着しているという常識論も述べている。

 その一方で、原子力規制委員会が策定した火山事象の安全審査の内規に、破局的噴火の火砕流が含まれていることを、運転差し止めの根拠とした。

 全体に強引さと言い訳めいた論理展開が目立ち、説得力の乏しい決定といえる。

 しかも、広島地裁で審理中の本訴訟の行方をながめ、異なる判断がなされる可能性もあるとして、運転停止期間を「来年9月30日まで」と限定する自信のなさだ。

 仮処分の決定なので、四国電力は現在、定期検査中の3号機の運転ができなくなった。

 同社は「到底、承服できるものではない」として異議申し立てを表明した。電力の安定供給を担う事業者の立場では当然である。

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