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【正論】「社外取締役」の意義を理解できない経営者の存在こそ、大きな経営リスクそのものだ 早稲田大学教授・上村達男

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【正論】
「社外取締役」の意義を理解できない経営者の存在こそ、大きな経営リスクそのものだ 早稲田大学教授・上村達男

早稲田大学教授・上村達男氏(本人提供) 早稲田大学教授・上村達男氏(本人提供)

 社外取締役を選任する会社が著しく増大しつつある。しかし、社外取締役がなぜ必要なのか、真に納得している経営者は意外に少ないように見える。

 ガバナンス・コード(企業統治指針)があるから、あるいはISSなどの議決権行使助言会社がそれをしないと取締役の選任に反対するから、とりあえず置いておこうという感じも強いのではないか。つい最近も、本当のところ社外取締役などいなくても構わないと、自信に満ちて公言する経営者に出会ったばかりだ。

≪「経営学」の要請だけではない≫

 「ガバナンスは会社が良い製品を作るための仕組みである。だから、良い製品を作っている会社にガバナンスは要らない」と思っている経営者は多く、経済学者にもそうした発想を当然とする向きが多い。私も「社外取締役が役に立つと本気で思っているのですか」と、真剣に問われたことがある。

 日本の経営者のこうした感覚は、社外取締役を経営のための手段とみて、経営に「役に立つかどうか」という発想、すなわち「経営学」の立場である。社外取締役がいると収益力が高まるとか、株価が高くなるとか、有益な助言を得ることができるといった視点である。社外取締役の存在と株価との相関に関する実証分析などを重視する人々も同類である。

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