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【日曜に書く】急速に左旋回した朝日、共産党指導者を「国民的英雄」と称賛した読売…戦後の新聞に見る左傾の源流 論説委員・河村直哉

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【日曜に書く】
急速に左旋回した朝日、共産党指導者を「国民的英雄」と称賛した読売…戦後の新聞に見る左傾の源流 論説委員・河村直哉

朝日新聞社東京本社=東京都中央区(本社チャーターヘリから、納冨康撮影) 朝日新聞社東京本社=東京都中央区(本社チャーターヘリから、納冨康撮影)

 しかし国家を否定的に考える視点は、残っているかもしれないのである。

 歴史問題で自国を過剰にあしざまに見る見方など、そのようなものではないか。

では、産経は?

 それならお前のところはどうなんだという話に当然、なる。

 終戦後のおびただしい紙面を繰っているのだが、見た限り、急速な左傾は起こっていない。

 もちろん他紙のように模索の時期でもあっただろう。社会主義に近さを示したような社説(現在の「主張」)もあるなど、揺れも見られる。

 けれども共産思想への警戒は、戦後まもなくから訴えている。21年8月1日の社説にこんな一文がある。

 「戦時中極端に右に引締められていた国民が、敗戦と同時に極左に走りたがるのは自然の理ともいえるが、(略)左右両極端いずれにも走るべきではなく、ひたすら中道を誤らないよう努めなければならぬ」

 共産運動が盛んな時期に、なぜこんな視点を持てたのか。

 当時の産経は、「産業経済新聞」という題字で、大阪で発行される経済紙だった。大半は経済記事である。経済の復興に寄与しようとする新聞として、過激な労働争議は生産を妨げるものだった。社説はしばしばこれを批判し、労資協調を早い時期から訴えている。

 手前みそばかりをいうつもりはない。まだ作業途中だし、教訓とすべき点もあるだろう。

 それにしても、目をしばたたかせながら紙面を読んでいて、ちょっぴりうれしく思う。(かわむら なおや)

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