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【宮家邦彦のWorld Watch】東京五輪を狙うテロをシミュレートしたら… 結果は予想以上にリアルで戦慄を覚えた テロリストの行動心理を学べ! 2020年は目前だ

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【宮家邦彦のWorld Watch】
東京五輪を狙うテロをシミュレートしたら… 結果は予想以上にリアルで戦慄を覚えた テロリストの行動心理を学べ! 2020年は目前だ

東京五輪をにらんだテロ対処訓練で、不審船に飛び移り、「犯人」を確保する海上保安官ら=今年7月、東京都江東区(桐原正道撮影) 東京五輪をにらんだテロ対処訓練で、不審船に飛び移り、「犯人」を確保する海上保安官ら=今年7月、東京都江東区(桐原正道撮影)

 某国工作員

 筆者の予想を最も裏切ったのは工作員の行動だ。彼らは五輪でテロを起こす気などない。彼らの目的は日本国内で情報収集・資金調達を行う某国関連団体を維持すること。同団体がある限り、日本を標的にするテロはない。結局、今回工作員たちはサイバー攻撃で日本の金融機関を狙ったが、ここも盲点だった。

 東京都・五輪委員会

 委員会の目的も五輪開催だったが、できることには限界がある。都知事は一度方針を決めれば、あまりやることがなかった…。

 以上の結果は未来を予測するものではない。だが、今回のシミュレーションを通じて学んだことも少なくない。

 テロリストは卑怯(ひきょう)者だ。彼らは白馬の騎士ではない。最も脆弱(ぜいじゃく)な標的を選び、最も残忍な方法で破壊・殺害し、最も大きな衝撃と恐怖を与えることにより、政治的目的を達成しようとする犯罪者だ。イスラム国シンパは既にフィリピンのミンダナオまで来ている。これまで日本は、島国特有の水際作戦、優秀な警察と高い民度で守られてきた。この平和と安全を守り続けるためにも、今回のような頭の体操を実施する価値はあると思った。2020年は目前だ。

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【プロフィル】宮家邦彦

 みやけ・くにひこ 昭和28(1953)年、神奈川県出身。栄光学園高、東京大学法学部卒。53年外務省入省。中東1課長、在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを歴任し、平成17年退官。第1次安倍内閣では首相公邸連絡調整官を務めた。現在、立命館大学客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。

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