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【主張】量子計算機 国内産業復活の起爆剤に

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【主張】
量子計算機 国内産業復活の起爆剤に

NTTなどが開発した量子コンピューター「QNN」と開発に携わったNTT物性科学基礎研究所の武居弘樹上席特別研究員=11月20日、神奈川県厚木市 NTTなどが開発した量子コンピューター「QNN」と開発に携わったNTT物性科学基礎研究所の武居弘樹上席特別研究員=11月20日、神奈川県厚木市

 国産初の「量子コンピューター」が、11月27日からインターネットを通して無償で一般公開されている。内閣府の革新的研究開発推進プログラムの一環として、NTTと国立情報学研究所などが共同開発した。

 現在のスーパーコンピューターをはるかに超える計算能力を持つ量子コンピューターの開発は、次世代技術の中でも最重要分野の一つに位置づけられる。産学、官民が一体となって、国内産業の復活と日本再生への起爆剤にしたい。

 半導体の集積によるコンピューターの性能向上が限界に近づいたとされる。量子力学の「重ね合わせ」と呼ばれる状態を利用する量子コンピューターは、膨大な計算を並列処理できるので、限界打破の切り札と目されている。

 量子コンピューターには「デジタル型」「アナログ型」に相当する2つの方式がある。デジタル型は暗号に使われる素因数分解をはじめさまざまな計算問題をこなせるオールラウンダーである。対して、国産機が採用したアナログ型は「組み合わせ最適化問題」と呼ばれる難問に特化したスペシャリストだ。

 世界の開発競争は、デジタル型ではIBM、グーグルなどの米国勢がリード、アナログ型ではカナダ企業が先陣を切った。

 日本は「後追い」の立場だが、大きな強みがある。先行する米国、カナダの量子コンピューターが極低温、真空の環境を必要とするのに対し、国産機は常温・常圧でも使えることだ。性能でも同じタイプのカナダ機を大きく上回るという。

 組み合わせ最適化問題とは、多数の選択肢の中から最適なものを選ぶ問題である。通信ネットワークの効率化、大都市の交通渋滞解消、創薬のための化合物探索、さらに人工知能の深層学習など現代社会の幅広い分野に、スペシャリストの出番はある。

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