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【正論】災害対策の基本「自助」精神の希薄化どうしたことか 「想定外」の弁明は通用しない 日本財団会長・笹川陽平

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【正論】
災害対策の基本「自助」精神の希薄化どうしたことか 「想定外」の弁明は通用しない 日本財団会長・笹川陽平

日本財団会長・笹川陽平氏(栗橋隆悦撮影) 日本財団会長・笹川陽平氏(栗橋隆悦撮影)

 「備えあれば憂いなし」の格言は、何よりも平時の心構えを説いた言葉と理解している。然るに最近、東日本大震災の被災地では自治体が防災訓練への参加者を集めるのに苦労し、防災に関する各種調査では防災グッズや食料を備える人が大幅に減少している、と報じられている。

≪防災意識の希薄化が目立つ≫

 東日本大震災から6年9カ月、熊本地震から1年7カ月しかたっておらず、首都直下型地震や南海トラフ大地震はいつ起きても不思議ではない情勢にある。加えて今年も九州北部豪雨をはじめ甚大な自然災害が相次いだ。

 災害から最終的に自分を守るのは自分である。災害大国・日本でそうした自助の精神がかくも希薄になっているのは、どうしたことか。先の総選挙では災害対策を公約に掲げる党も見当たらなかった。わが国の防災、とりわけあらゆる機能が一極集中する首都圏はこれで大丈夫なのか、杞憂する。

 「備えあれば憂いなし」の言葉は、中国春秋時代の思想家・孔子が編集した史書「春秋」の注釈書「春秋左氏伝」にあり、前段には「居安思危」(安きに居りて危うきを思う)、「思則有備」(思えば則ち備え有り)とある。平安無事のときにも危難に心配りをすればそれ自体が備えとなって、いざというときに慌てずに済むと説いている。自助こそ第一の教えだ。

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