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【風を読む】道徳の教授がいない 論説副委員長・沢辺隆雄

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道徳の教授がいない 論説副委員長・沢辺隆雄

 道徳教育のシンポジウムで不思議な話を聞いた。教員養成系大学の教育学部で、道徳の講義を担当する教授が足りなくなっているという。

 先月、公益社団法人「日本弘道会」の主催で、教科となる道徳の指導や評価法などについて意見が交わされた。その中でパネリストが明かしたことだ。

 教科化に伴い道徳に詳しい専門家が「ひっぱりだこ」というなら歓迎できる。しかし実情は違い、道徳教育の課題を象徴する話だった。

 戦後、修身科が廃止され、昭和33年に小・中学校で「道徳の時間」が創設された。「教科」ではなかったため、もともと専門研究者の人材が少ない。

 教員免許取得のため、道徳の講義はあるものの、単位数は少なく、それも教育史や教育哲学といった専門外の教授らが教えている例が多いという。

 教育学部改革の一環で文部科学省が課程(カリキュラム)認定を厳格化する中、専門外では「まずい」となったが、見回しても専門家がいない。いじめ問題のほか、ネットで情報が飛び交い価値観が多様化する現代の教育で、道徳教育の理論と実践にわたり一層、専門家が求められているにもかかわらずだ。

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