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【主張】社会保障改革 「俯瞰の目」で全体像描け

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【主張】
社会保障改革 「俯瞰の目」で全体像描け

安倍晋三首相 安倍晋三首相

 自民、公明、旧民主の3党合意に基づく社会保障・税一体改革は大きく変質した。安倍晋三首相は今後の対応について、国民に丁寧な説明を行う責務がある。

 というのも、社会保障制度をどう改革していくかの道筋が、不明確になってきたからだ。

 特別国会は絶好のチャンスといえよう。予算委員会では深みのある論戦を聞きたい。

 一体改革は、団塊世代が高齢化することへの対応を念頭に置いたものだった。

 それが大きく形を変えたのは、首相が先の衆院選で幼児教育・保育や高等教育の無償化を掲げ、消費税率引き上げの増収分の使途変更を打ち出したためだ。

 深刻な少子化を克服していくために、子育て世代が抱える不安を解消するという方向性は間違っていない。手厚すぎる高齢者向けサービスの見直し、医療・介護の無駄をなくす努力も欠かせないものである。

 とはいえ、財源にもサービスカットにも限りがある。社会保障の「全世代型」を目指すからと、子育て支援策をいたずらに膨張させてよいわけがない。反対に、高齢者向け政策が極端に縮小し、必要な人にサービスが届かなくなるのでは本末転倒となる。

 無償化にしても、不明確な点が少なくない。衆院選の公約にはなかった保育士の処遇改善などのメニューが浮上している。それ自体が悪いのではないが、明確な財源策が伴っていない。

 大盤振る舞いを思わせる動きの一方で、財務省は社会保障費の伸びの抑制を求めている。何ともちぐはぐな印象を漂わせる。

 国会では無償化に論点が集中しそうだが、いまこそ全体のバランスを図る俯瞰(ふかん)の目が必要だ。

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