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【主張】日欧EPA対策 競争力高める改革を促せ

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【主張】
日欧EPA対策 競争力高める改革を促せ

 欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)や、米国を除く11カ国による環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効に備え、政府が国内対策大綱を決めた。

 関税の撤廃や削減に伴う輸入増で影響を受ける酪農や畜産などの経営を支援し、併せて日本企業の輸出を後押しすることなどが柱である。具体化に向け、まずは補正予算で3千億円規模の対策費を検討している。

 関税や非関税障壁で排他的に国内産業を保護するのではなく、これをなくした上で必要な国内対策を講じる。それが経済連携による自由貿易拡大の基本である。

 それには、一定の激変緩和措置は認めるとしても、生産性や競争力を高める改革が促されなければならない。協定の恩恵を最大限に享受できることにこそ、万全の対応を図ってもらいたい。

 国内対策が、政策効果よりも予算のばらまきに陥りがちなことについても、厳しい目を向けていく必要がある。

 大綱は、以前からあるTPP関連対策に、日欧EPAへの対応策を追加した改訂版である。

 欧州産チーズの輸入増を視野に入れ、国産チーズや原料乳の生産コストを下げて高品質化やブランド化を支援する。牛・豚肉生産者への赤字補填(ほてん)も拡充する。木材製品の競争力を高める林道整備や加工施設の効率化も目指す。

 これらの予算化に当たり、その優先度を政府は明確にすることを求めたい。

 日欧双方は年内の最終合意に向けて交渉中である。だが、EU全加盟国の議会承認を得て実際に発効するのはまだ先の話だ。

 それまでの間に手を打っておくべき対策は何か。当初予算を待たず、補正で措置すべき必然性はあるか。安倍晋三首相は国会で「農家の不安や懸念にしっかり向き合う」と述べたが、単に予算を確保すれば済む話ではない。

 何よりも、日欧EPAの経済効果や農業などへの影響試算を具体的に明示することが対策を具体化する前提となる。米国のTPP離脱を踏まえ、従来のTPP対策も改めて精査すべきだ。

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