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【主張】銀行の構造改革 顧客優先の視点忘れるな

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【主張】
銀行の構造改革 顧客優先の視点忘れるな

三菱東京UFJ銀行の本店=東京都千代田区 三菱東京UFJ銀行の本店=東京都千代田区

 人口減少や、低金利に伴う利ざやの縮小に直面する大手銀行が、収益基盤を強化する構造改革に乗り出している。

 みずほフィナンシャルグループは1万9千人の人員削減や国内店舗の縮小を図る。三菱UFJフィナンシャル・グループなども、業務量の削減を目指すという。

 非効率な事務や店舗配置を見直して高コスト体質を改め、将来的に稼ぐ力を高めるためである。

 経営改善は、金融システムの安定化を図る前提であり、経済成長を後押しする上で欠かせない。顧客優先の視点を忘れず、事業の再構築を進めてもらいたい。

 地域金融機関も、統合や提携などの再編に動いている。いずれも背景には、今後の経営環境に対する深刻な危機感がある。

 国内業務は人口減で大きな伸びを期待しにくい。日銀の金融緩和により、当面は、利ざや収入を大幅に増やす金利環境の変化も見込めない。

 加えてITを駆使した異業種の参入で決済や送金業務も厳しい競争下にある。大手行の9月中間連結決算では、本業のもうけを示す実質業務純益が軒並み減った。

 人員削減にまで踏み込むのは、メガバンクの再編後も業界内に残っていた非効率な経営が限界を来してきたことにほかならない。

 構造改革は、これを打開するための選択と集中である。過剰と指摘されてきた店舗の統廃合を進める。人工知能(AI)などを活用して業務の効率化を図る。その上で資産運用の相談業務など、きめ細かなサービスを提供する。

 こうした各行の取り組みは、生産性や収益力を高め、競争力を強化するための布石といえよう。

 顧客に資する改革となることを注文しておきたい。新たなサービスに注力するあまり、預金を集めて企業に融資する本来業務がおろそかになっては元も子もない。

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