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【産経抄】悪質クレームつけても「神様」と思い込んでいる お客様は神様ではない 11月20日

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【産経抄】
悪質クレームつけても「神様」と思い込んでいる お客様は神様ではない 11月20日

 「お客様は神様です」。「国民的歌手」の故三波春夫さんの名文句である。これほど誤解されて広がった言葉も珍しい。実は、お客様イコール神様の意味ではない。芸の始原とは、神を前にしてのパフォーマンスだったといわれる。三波さんも、観客を神様に見立てて雑念を払っていた。いわば芸人としての誇りを示した言葉である。

 ▼観客にへつらっていたわけではなく、実際、理不尽な振る舞いは許さなかった。ある公演で紙テープを大きなかたまりにして投げつけた若者を、歌の途中で「無礼者!」と怒鳴りつけたこともある。残念ながら、いまだに自分を「神様」と思い込んでいる、困った「お客様」が少なくない。

 ▼スーパーやコンビニなどの従業員の約7割が、客から暴言や脅迫などの悪質なクレームを受けた経験があるという。「死ね、辞めろ」などと暴言を吐き、土下座を強要する。接客中の女性従業員の腰や尻を触る。こうした客の迷惑行為によって、従業員が精神疾患や退職に追い込まれるケースが後を絶たない。

 ▼もちろん顧客には、サービスに対して苦情を申し立てる権利がある。それが「モンスター化」して深刻な問題になったのは、約10年前からだ。流通業界だけではない。学校や病院も、「モンスターペアレント(保護者)」や「モンスターペイシェント(患者)」に悩まされている。

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