産経ニュース

【主張】相次ぐ鉄道の停電トラブル 保守・点検「現場力」の低下が心配だ

ニュース コラム

記事詳細

更新

【主張】
相次ぐ鉄道の停電トラブル 保守・点検「現場力」の低下が心配だ

東急田園都市線の架線トラブルで運転見合わせとなり、各駅では駅員が利用客から振り替え乗車など質問に対応していた=東京都世田谷区の東急三軒茶屋駅 東急田園都市線の架線トラブルで運転見合わせとなり、各駅では駅員が利用客から振り替え乗車など質問に対応していた=東京都世田谷区の東急三軒茶屋駅

 鉄道をめぐる停電トラブルが相次いでいる。15日には東京・世田谷区の東急田園都市線の架線で停電が発生し、渋谷発着の上下線の運行が約4時間半も停止した。

 9月にはJR東日本でも、埼玉県にある変電所で障害が起こり、山手線や京浜東北線などが一時運休に追い込まれた。

 定時運行は、鉄道が果たすべき大きな役割である。それを妨げる停電トラブルの続発は重大な問題と言わざるを得ない。

 心配なのは、鉄道や関連設備などの保守・点検能力が低下していないかだ。世界に誇る「現場力」の衰えは放置できない。

 鉄道各社は、安全運行を確保する観点からも深刻な事態と受け止め、停電トラブルの再発防止を徹底しなければならない。

 東急電鉄によると、送電線を絶縁するためのカバーが壊れ、カバーを支える鉄製の架台に接触したことでショートした。これにより停電が起きたという。朝のラッシュ時間帯を直撃し、通勤・通学客ら約12万6千人に影響が出た。

 田園都市線では10月にも駅構内で停電が発生し、一時運行を停止したばかりだった。同線は昨年4月以降、渋谷-二子玉川駅間の地下区間で6件の設備トラブルがあった。同区間は特に利用者が多く、運休の影響が極めて甚大であることをもっと厳しく認識すべきだろう。

 国土交通省によると、鉄道をめぐる人身事故や天候要因を含む昨年度の輸送障害(列車運休や30分以上の遅延)は、前年度より1割以上多い5331件に上った。このうち列車や鉄道施設などの障害が4分の1を占め、安定運行を阻害する要因となっている。

 鉄道設備の保守・点検は、電気設備工事などの現場力に負う部分が大きい。

続きを読む

「ニュース」のランキング