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【日曜に書く】誰が日本の銀行を殺すのか 論説委員・井伊重之

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【日曜に書く】
誰が日本の銀行を殺すのか 論説委員・井伊重之

みずほ銀行の本店=東京都千代田区 みずほ銀行の本店=東京都千代田区

 地銀同士が持ち株会社を設立し、その傘下に入る統合ではどこまで経営改革に踏み込めるかは不透明だ。なかには統合後も互いの営業地域には干渉しない「相互不可侵条約」のような統合もある。これでは再編のアリバイづくりにすぎない。

 これからの時代に地銀がしぶとく生き残るためには、大胆な経営改革が欠かせない。例えば競合が激しく採算が低い法人営業からは撤退し、地域金融機関としてリテール(小口金融)をもっと充実させるなどの構造改革を考えるべきだ。そこでは店舗や人員の削減も必要だが、大手と同じ薄利多売型ビジネスモデルからの転換が急務だ。

 ◆地銀が生き残るためには

 今後の法人向け融資などの審査業務は、AI(人工知能)などに置き換わる可能性が高い。それならば個人向けの資産運用ビジネスや富裕層シニアの見守りサービスなど、顧客と向かい合うリテール業務に注力した方が一定の収益が見込める。資産相続の一環として、中小・零細企業の事業承継業務なども有力な地域ビジネスといえる。

 買い物・病院への同行や戸別訪問などの見守りサービスは、地域の高齢者支援にもつながる。地元金融機関としての信用力やブランドも生かせる。大手地銀が経営規模の拡大に走るなら、経営規模を縮小しながら独自の生き残り策を模索する地銀がもっと登場してほしい。

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