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【主張】GDP1.4%増 内需が支える成長を図れ

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【主張】
GDP1.4%増 内需が支える成長を図れ

 7四半期連続のプラス成長は実に16年ぶりだという。だが、実感できるほどの力強さはない。

 7~9月期の国内総生産(GDP)の速報値は、そんな景気認識を裏付けるものだろう。

 実質GDPは年率換算で1・4%増だった。日本経済の中長期的な実力を示す潜在成長率が0%台だとされることを考えれば、決して低くはない。むしろ、景気は堅調に推移しているといえる。

 先進国、新興国を問わず、総じて好調な海外経済を追い風に、輸出増が日本の成長を牽引(けんいん)した。半面、肝心の内需は弱い。個人消費に火がつかないためである。

 いつまでも外需頼みが続くようでは、海外経済が揺らいだ途端に日本経済は失速しかねない。内需主導の経済再生を果たすためにも、民間企業に求められる役割は大きい。賃上げや設備投資などを着実に積み重ねることで、デフレ脱却を確実に果たしたい。

 上場企業の中間決算では、売上高や利益を大きく伸ばしたところが多かった。世界的な景気拡大や円安に加え、企業が長らく取り組んだ構造改革の成果で稼ぐ力が強まったことも背景にあろう。

 問題は、企業業績の改善が家計に恩恵をもたらし、消費拡大へとつながる好循環がみられないことである。GDPの多くを占める個人消費は0・5%減と、7四半期ぶりのマイナスとなった。

 夏の長雨の影響で飲食や宿泊が低迷したことなども響いたのだろう。だが、4~6月期には、個人消費や設備投資などが大きく伸びていた。その流れを持続できなかったのは、景気が力強さを欠いている証左といえる。

 消費を促すには、春闘で確実に賃上げを図るなど企業の前向きな経営が欠かせない。節約志向が根強くても、真に欲しいものには出費を惜しまない。そうした消費行動に訴求する付加価値の高い製品やサービスが求められよう。

 税制や規制改革などを通じた政府の後押しは、引き続き重要である。安倍晋三首相は所信表明演説で、あらゆる施策を総動員し「デフレからの脱却を確実なものとする」と語った。

 大切なのは、民需を喚起するための環境整備に徹することである。予算をばらまいて一時的に需要を刺激しても、真の経済再生は望めない。その視点を、補正予算編成でも念頭に置くべきだ。

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