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【主張】日馬富士の暴行 また好角家を裏切るのか

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【主張】
日馬富士の暴行 また好角家を裏切るのか

謝罪のため貴乃花部屋を訪れたが、親方らとすれ違いになり、部屋を後にする日馬富士関=14日、福岡県田川市(仲道裕司撮影) 謝罪のため貴乃花部屋を訪れたが、親方らとすれ違いになり、部屋を後にする日馬富士関=14日、福岡県田川市(仲道裕司撮影)

 横綱とは、品格と力量の秀でた力士にのみ許された地位だ。感情のはけ口として暴力に訴えるなど論外である。

 横綱日馬富士が10月下旬、巡業先の鳥取県内で平幕貴ノ岩をビール瓶で殴るなどした。横綱は暴行を認め、九州場所3日目から休場している。

 モンゴル出身力士が集まった酒席で、先輩力士への敬いを欠く貴ノ岩の言動に激高したというが、地位を汚す愚行に釈明の余地はない。平成22年には同じモンゴルの元横綱朝青龍が、一般人に暴行して引退に追い込まれた。暴力が何をもたらすか、日馬富士は分かっていたはずだ。

 19年に時津風部屋で起こった力士暴行死事件、22年の野球賭博、23年の八百長発覚など角界の存亡にかかわる問題が起こる度、日本相撲協会は「隠蔽(いんぺい)体質」を批判されてきた。組織にとって、事実の隠蔽や虚偽の説明は致命傷だが、今回の暴行問題への対応を見るかぎり、過去の苦い経験は全く生かされていない。

 協会が事案を把握したのは、今月2日という。暴行を知りながら、なぜ日馬富士を九州場所の土俵に上げたのか。初日まで時間がありながら、場所前に事案を公表しなかった執行部の姿勢も理解に苦しむ。暴行を隠蔽する意図はなかったと言い切れるのか。

 貴ノ岩の師匠である貴乃花親方(元横綱)も、事案の公表を遅らせ、混乱を大きくした責任を免れない。協会巡業部長でもある親方は、警察に被害届を出しながら協会に報告しなかった。本場所中という最悪のタイミングで事案が明るみに出たことは、好角家への裏切り行為に他ならない。

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