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【産経抄】タモリさんも「チバニアン」には興味津々だろう 11月15日

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【産経抄】
タモリさんも「チバニアン」には興味津々だろう 11月15日

「チバニアン」のもとになった千葉県市原市の地層=平成28年12月、千葉県市原市 「チバニアン」のもとになった千葉県市原市の地層=平成28年12月、千葉県市原市

 宮沢賢治は、「石っこ賢さん」と呼ばれるほど、石集めが好きな少年だった。岩手の農林学校では地質学を学び、地質調査旅行にも出かけた。多くの作品に鉱物や岩石を登場させている。

 ▼NHKの人気番組「ブラタモリ」に出演中のタモリさんも、ひょっとして「石っこ」だったのではないか。全国各地をぶらぶら歩きながら、しばしば専門家が絶句するほどの地質学の知識を披露している。

 ▼今年6月には、番組が日本地質学会から表彰を受けて話題になった。「地質学の社会への普及」が理由である。そんなタモリさんにとって、興味津々のニュースであろう。地球の長い歴史のうち、約77万~12万6千年前の時代が「チバニアン(千葉時代)」と呼ばれる可能性が高まった。

 ▼地球は誕生してから、何度も地磁気の南北逆転を繰り返してきた。最後に起きたのが、77万年前とされている。千葉県市原市内にある地層で、地磁気の逆転の痕跡が明確に確認できる。それが評価されたという。

 ▼ニュースでもう一つの日本の快挙を知った。そもそも1929年に地磁気が逆転する現象を世界で初めて発表したのは、地球物理学者の松山基範(もとのり)だった。すでに地磁気の年表には、松山の名前が刻まれている。新しい地学の教科書には、くわしく記載されるだろう。

 ▼ただ残念なことに、地学は高校では不人気な科目である。入試で、多くの大学が理科の受験科目からはずしているからだ。地球を対象とする地学には、地質学や気象学から天文学まで含まれる。地学離れは、地震や火山の噴火、台風に悩まされてきた日本にとって由々しき事態である。「チバニアン」をきっかけに「石っこ」になった少年少女が、地学を人気科目に押し上げてほしい。

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