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【産経抄】11・15は拉致問題解決の道しるべ 11月14日

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【産経抄】
11・15は拉致問題解決の道しるべ 11月14日

13歳で拉致されてから40年が経過し、10月に53歳の誕生日を迎えた横田めぐみさん 13歳で拉致されてから40年が経過し、10月に53歳の誕生日を迎えた横田めぐみさん

 昭和52(1977)年とは、どんな年だったのか。手元にある日本現代史の年表を開いてみる。9月3日には、巨人の王貞治選手が通算756本塁打を記録し、米大リーグ記録を上回った。

 ▼28日には、パリ発の日航機が日本赤軍にハイジャックされた。日本政府は、人質となった乗員乗客を解放するために、高額の身代金を支払い、過激派6人を釈放した。「人命は地球より重い」。当時の福田赳夫首相の判断である。

 ▼13歳の横田めぐみさんが北朝鮮の工作員によって拉致されたのは、それから1カ月半後の11月15日だった。明日で40年を迎える。「地球より重い」存在であるはずの一人の少女に降りかかった凶悪犯罪は、重大な主権侵害でもある。にもかかわらず、年表にはまったく記載がない。

 ▼先月、めぐみさんを主人公にした舞台劇を映像化した『めぐみへの誓い』を見てきた。北朝鮮の病院に入院中のめぐみさんが、夢の中で両親に再会する場面では、涙が止まらなくなった。非道な国への怒りがあらためてこみ上げてくる。

 ▼なぜかくも長く、めぐみさんを救出できないでいるのか。「責任は日本社会全体にある」。上映会の後に開かれたトークライブで、阿部雅美さんが指摘していた。拉致事件を初めて報じた小紙の元社会部記者である。平和ボケが蔓延(まんえん)していた日本では、工作員のやりたい放題だった。めぐみさんの事件が明らかになるまで、20年もかかっている。メディアの罪も小さくない。

 ▼めぐみさんは53歳になった。残された時間は少ない。拉致問題を解決する具体的な方策について、社会全体で議論を急がなければならない。めぐみさんの帰国がかなうまで、11・15は拉致問題解決への道しるべとなるべき日付である。

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