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【主張】神鋼の品質不正 統治不全で信頼を失った

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【主張】
神鋼の品質不正 統治不全で信頼を失った

神戸製鋼所神戸本社=10月20日、神戸市中央区(沢野貴信撮影) 神戸製鋼所神戸本社=10月20日、神戸市中央区(沢野貴信撮影)

 検査データの改竄(かいざん)などの不正を重ねていた神戸製鋼所が、社内調査の結果をまとめた。

 収益を重視するあまり、品質よりも生産量の確保や納期が優先の体質が不正を招いたとした。閉鎖的な社内風土も不正の連鎖を断ち切れなかった要因だという。

 現場による改竄に気付けなかったとする経営陣の責任にも言及した。だが不正が始まった時期や経営陣の具体的な関与の有無などは不明のままだ。「究明」にはほど遠い内容である。

 企業が収益を重視するのは当然である。そのことが組織ぐるみの不正を招いた原因だと釈明することに、違和感をぬぐえない。

 外部有識者による調査委員会が、年内に最終調査をまとめるという。不正の背後にある根本的な原因に向き合わなければ、信頼回復など望むべくもない。

 報告書は、複数の部署で製品の品質データの改竄などが長く続き、多くの社員が不正に関与してきたと指摘した。収益確保のために納期を守ることに追われ、品質を軽視する姿勢が不正を招いたとしている。

 それもそうだが、品質を確保しないこと自体、顧客との信頼関係を裏切り、契約そのものを欺くものだ。製造業としての存在を否定するに等しい。

 長年にわたる品質不正が、日本の製造業への信頼を失墜させた点への反省が感じられない。

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