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【正論】「北崩壊後」から目を背けるな 米中の取引次第で在韓米軍の撤退もあり得るのだ 京都大学名誉教授・中西輝政

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【正論】
「北崩壊後」から目を背けるな 米中の取引次第で在韓米軍の撤退もあり得るのだ 京都大学名誉教授・中西輝政

中西輝政・京都大学名誉教授 中西輝政・京都大学名誉教授

 毎年、11月はアジア外交の季節である。しかし今年はそれが「歴史的な季節」となりそうだ。年初来の北朝鮮危機のかつてない高まりと、10月の党大会で毛沢東以来の強力な権力を確立した中国の習近平政権の大きな存在感が背景にあるからである。

 欠けてはならない長期的視点

 すでにトランプ米大統領の日本を出発点とするアジア歴訪の旅が始まっているが、米中首脳会談をはじめ、ベトナムでの「アジア太平洋経済協力会議(APEC)サミット」やフィリピンでの「東アジア(EAS)サミット」でも、両首脳の間で「アジアの主人公」の座をめぐるつばぜり合いが繰り返されよう。

 内外のメディアはすでにさまざまな角度から、これら首脳会談についてかまびすしく報じている。しかし今年ばかりは、これまでにない大きな視野と長期的視点から事態を見ることが、切実に求められている。

 人は、とかく解決策がないように見える問題については目を背け、また「見たくない未来」には決して目を向けようとはしない。確かに、目前の短期的リスクが大きいときには、そこに関心を集中させ当面の対応に万全を期すことは大切だ。目下、焦眉の急である北朝鮮問題をめぐってはなおさらである。しかし、もしそこに長期的・構造的に見て重要な観点が欠けていたら、短期的なリスクがより大きくなることもあるのである。

 いま朝鮮半島で米朝の軍事衝突が起こるか否かに多大な関心が向けられている。他方また、対北制裁の強化によって、あるいは米朝間の対話によって北朝鮮の非核化や核・ミサイル開発の凍結といった「解決策」の可能性が論じられている。

 しかし、事態がいずれの道筋をたどったとしても、その後の東アジアにはかつてない劇的な地政学的変化が起こることであろう。

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