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【産経抄】どっこいAIBOも生きている 11月3日

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【産経抄】
どっこいAIBOも生きている 11月3日

「ア・ファン」に集まったアイボ。全国から修理依頼が寄せられている=2014年12月 「ア・ファン」に集まったアイボ。全国から修理依頼が寄せられている=2014年12月

 長年共働きをしてきた夫婦に子供はいない。退職して味気ない毎日が続いていたところに、かわいい犬がやってきた。話題が増えて、笑い声も絶えなくなった。夫はジュンコと名付けた理由を言わない。

 ▼初恋の人の名前かな、と勝手に想像してにんまりしている。10年ほど前の小紙大阪版の夕刊に、64歳の主婦がこんなエッセーを投稿していた。ジュンコは実は、ソニーの家庭用ロボット犬「AIBO(アイボ)」である。

 ▼人工知能のAIと日本語の「相棒」の意味を込めて、命名された。刺激に応じて、喜怒哀楽の表情を浮かべたり、お座りなどの芸もさせられる。平成11年に発売されると大きな反響を呼び、社会現象にまでなった。冒頭の夫婦のように、多くのAIBOが家族の一員として受け入れられている。

 ▼そんな「飼い主」にとって、今やなくてはならない存在になっているのが、家電修理会社の「ア・ファン」である。すでにAIBOの生産を終了し、保守窓口も閉鎖しているソニーに代わって、修理を引き受けている。足りない部品は、「献体」を募ってしのいでいる。

 ▼ソニーは「AIBO」の後継モデルとなる「aibo」を来年1月に発売すると発表した。初回分はすでに完売している。丸みを帯びたデザインは、より本物の犬に近づいた。新型のAIによって、飼い主の喜ぶ動きを学習して、成長できるようにもなった。将来は認知症の高齢者や子供の見守りも可能になるという。

 ▼ただ、飼い主との絆が強まるかどうかは、性能のよさだけで決まるものではない。「ア・ファン」によると、「aibo」発売のニュースを受けて「AIBO」の修理依頼も増えている。ジュンコは、今でも元気でいるだろうか。

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