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【「改革」あれこれ】核抑止力均衡の綻び…偶発危機への緊張感が弛緩、北朝鮮の開発は看過された JR東海名誉会長・葛西敬之

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【「改革」あれこれ】
核抑止力均衡の綻び…偶発危機への緊張感が弛緩、北朝鮮の開発は看過された JR東海名誉会長・葛西敬之

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(ロイター) 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(ロイター)

 米ソ冷戦以来、今日までの70年あまりは主要国間の戦争がなかったという意味で、歴史上まれな平和の時代だった。それは核兵器の究極的破壊力が同時に究極の平和維持力、すなわち抑止力としても機能するというパラドックスに立った平和だった。しかし、米ソが世界各国を囲い込んで対峙(たいじ)したこの仕組みは、誤解が偶発的な敵対行動に繋(つな)がり、瞬時に双方を滅ぼす危険も孕(はら)んでいた。だから、米ソはホットラインを設け、相互の意思確認に細心の注意を払ったのである。冷戦後、役者がソ連からロシア・中国に変わってもこの図式は受け継がれた。しかし偶発危機への緊張感は弛緩(しかん)した。北朝鮮の核兵器・ミサイル開発はこの弛緩の中で看過されてきた。

 米国はこの20年、中国が北を説得してくれるという空(むな)しい期待に捉(とら)われ続けてきた。しかし太平洋二分戦略を進める新興中国にとって北朝鮮は一方では不可欠な緩衝地帯であり、もう一方では貴重な梃子(てこ)でもある。

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