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【ベルリン物語】日独関係の良好維持へ“手綱”はしっかり

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【ベルリン物語】
日独関係の良好維持へ“手綱”はしっかり

 「退屈な選挙戦」。事前にそうメディアが伝えていた9月のドイツ総選挙。だが、結果は安穏とした空気を吹き飛ばした。「反難民」の新興右派政党が大躍進し、メルケル首相の保守系与党は首位を保ったが票を奪われ、得票率は歴史的低水準に落ち込んだ。

 「あぐらをかいているようにもみえた」。在独日本人の専門家はチクリと指摘する。4期目続投が確実視されたメルケル氏がライバルによる真っ向からの論戦を避けた結果、新興右派の存在を際立たせたとの批判は強い。求心力が低下しているとみる向きもあり、専門家はコール長期政権の末期とも重ねた。

 気がかりは、そんなメルケル氏の今後の政権の安定度だ。欧州連合(EU)ではマクロン仏大統領が影響力を増すが、国内では支持率低下が懸念され、英国はEU離脱問題を抱える。メルケル氏のまとめ役としての存在感はなお欠かせない。「現下の国際情勢を考えれば、欧州で最も影響力のある国がガタガタするのは困る」。日本外交筋からはそんな声も漏れる。

 EU内がぎくしゃくすれば中露が付け入り、日欧連携に影響が出かねない。日独は北朝鮮問題で温度差もあるが、近年は首脳間で良好な関係も築いた。日本としては両国関係の手綱を今後もしっかり握っておく必要がある。(宮下日出男)

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