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【日曜に書く】「M78星雲」の姉妹都市と「一人の道」 論説委員・別府育郎

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【日曜に書く】
「M78星雲」の姉妹都市と「一人の道」 論説委員・別府育郎

 夜、市内のライブハウスで茶木が歌った。「一人の道」は、ここで歌うときのみ、曲の冒頭で店の女性が円谷の遺書の全文を朗読する。

 4年前のライブでは喜久造さんも客席に座り、朗読を聴いた。長く避けてきた全文に、改めて涙を流したのだという。

陸上ブーム

 市内で知り合った男性は東京五輪の開催時、円谷の出身小学校の2年生だった。

 五輪後は当然のように陸上ブームが訪れ、皆、走ることに夢中になった。小学校にも陸上部ができ、男性は長距離走者として多くの大会に参加した。中学でも陸上部に進んだが、足を痛めて理科クラブに移った。

 「その後は、星ばかりながめて暮らしていましたね」

 少年ランナーと五輪メダリストを安易に比較することはできまいが、引退後にはそんな生き方もあり得たのになと、少し感傷的になった。小雨降る須賀川の夜空を見上げてみたが、時に恵まれず、星は、ひとつも見えなかった。(べっぷ いくろう)

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