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【日曜に書く】「M78星雲」の姉妹都市と「一人の道」 論説委員・別府育郎

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【日曜に書く】
「M78星雲」の姉妹都市と「一人の道」 論説委員・別府育郎

 これら遺品を管理し、須賀川を訪れたアベベの息子や、ヒートリー夫妻らを、十念寺の墓に案内したのは、兄の喜久造さんである。だが喜久造さんは長い間、弟の遺書を最後まで目で追うことができないでいた。あまりに辛(つら)く悲しく、当時の状況に対する怒りもあった。

 メモリアルホールは、茶木みやこが歌う「一人の道」で来館者を迎える。

 友人が円谷の遺書を題材に詞を書き、茶木が曲をつけ、フォークデュオ「ピンク・ピクルス」でレコード化した「一人の道」は、1970年代、ラジオの深夜放送を中心に、多くの支持を受けた。

 長く歌の世界から離れていた茶木が2000年、50歳を機にまた歌い出したのも、体操の具志堅幸司やマラソンの宗兄弟が愛唱歌としていることを聞いたのがきっかけだったという。

 それでもこの曲を歌い続けることに躊躇(ちゅうちょ)はあったが、「あなたが歌ってくれることで皆が幸吉のことを覚えていてくれる」という喜久造さんの一言が、背中を押した。

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