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【日曜に書く】北朝鮮に脅され〝人質〟に取られたオリンピック 論説委員・佐野慎輔

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【日曜に書く】
北朝鮮に脅され〝人質〟に取られたオリンピック 論説委員・佐野慎輔

 さらに北は、南で開く大会に反発して地域予選から不参加、自国民に大会の存在自体を秘匿したとされる。そして翌89年、世界青年学生祭典なるイベントを開催、対抗した意識をみせたものの空振りに終わった。

 いま北朝鮮はミサイル発射を繰り返す。平昌大会は“人質”に取られたといっていい。

 「状況が悪化し、選手の安全が保証されなければ、平昌大会には参加しない」。その後、ニュアンスを緩めはしたが、フランスのスポーツ相がそう発言したのは、ほんの10日ほど前である。これに程度こそ違え、オーストリアやドイツ、スウェーデンといった冬季競技の強豪国が相次いで懸念を示した。

北朝鮮の望む結果

 国際オリンピック委員会(IOC)は例によって、警備の厳しさを理由に、「大会期間中、平昌は世界中で一番、安全な場所となる」と繰り返す。

 しかし、トランプ米大統領との「言い争い」が募れば、事態はより悪化の道をたどり、懸念では済まなくなる。敏感な選手たちが早々に、個々に参加を忌避するケースも出てこよう。

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