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【産経抄】歴史の転換点になる選挙 9月26日

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【産経抄】
歴史の転換点になる選挙 9月26日

記者会見で衆院解散を表明する安倍首相=25日午後、首相官邸 記者会見で衆院解散を表明する安倍首相=25日午後、首相官邸

 歴史の解説書としては異例のベストセラーとなった『応仁の乱』(中公新書)を遅まきながら読んだ。学生時代は、「人(1)の世むな(467)し」と語呂合わせで覚えた大乱は、全国の諸大名が東西両軍に分かれて争われた。

 ▼両軍とも寝返りや内紛が相次ぎ、だらだら11年も続いた。戦いの不毛さを象徴するようなエピソードがある。西軍に所属する大名の家臣たちが、ストレス発散のために、木製の杖(つえ)で木製の鞠(まり)を敵陣に打ち込む遊びに興じていた。その勝敗をめぐってけんかになり、80人もの死傷者が出たという。

 ▼英雄が誰一人見当たらない戦乱が、なぜこれほど注目されているのか。著者の呉座勇一さんは小紙の取材に、こう答えている。「関係者の打つ手がことごとく裏目に出た。そんな失敗の歴史を反面教師として学ぶ流れになっているのではないか」。

 ▼北朝鮮の「核・ミサイル」の脅威が日に日に高まるなか、安倍晋三首相は昨日、28日の臨時国会冒頭での衆院解散を表明した。北朝鮮への圧力を強化して、少子高齢化社会で「生産性革命」を進める強固な政権を作る。戦いの大義名分は立っている。

 ▼その大切な戦いを前にして、民進党から離党者が相次いでいる。自民党からも「小池新党」に参加する動きが出始めた。新党の理念に賛同するというより、とにかく寝返ってでも議席を守りたいとの思惑が見え見えである。秘書への暴言、暴行疑惑から不倫スキャンダルまで、テレビのワイドショーを騒がせてきた議員たちの動きも気になる。

 ▼応仁の乱が、戦国時代への扉を開いたように、次期衆院選は歴史の転換点となる選挙になりそうだ。後世の日本人に「反面教師としたい」と言わせるような、「失敗の歴史」の繰り返しは許されない。

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