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【主張】国語世論調査 「対面」重視の意気や良し

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【主張】
国語世論調査 「対面」重視の意気や良し

 文化庁が公表した平成28年度「国語に関する世論調査」は、高度化、多様化する一方の情報社会におけるコミュニケーションのあり方を改めて問う形となった。

 注目されるのは、「最も親しい人に本音を伝えやすい手段」として「直接会っての会話」を挙げた人が9割を超えたことである。年代別では20代の94・3%が最高だった。対面型のコミュニケーションが重視されているのは健全な傾向といえよう。

 「誤解やトラブルを招きやすいと感じる手段」では「SNS(会員制交流サイト)やブログでのメッセージ」が約44%と最多で、10代(16~19歳)は8割強、20代は7割強の高い数値を示した。2位の「パソコンなどでのメール」を含めた非対面型の手段に潜むリスクが、利用率の高い若者層に広く認識されていることが分かる。

 ただ一方で、インターネット上で批判が殺到する「炎上」現象を目撃した際、20代の10・7%が「書き込みや拡散をすると思う」と答えた。全世代平均の約4倍と突出している。誰もが世論を喚起できるSNSの特性などに鑑みれば、不安を禁じ得ない。

 ネット世界には正当な情報に交じって悪意や偏見、誤解に基づく情報も大量に出回っている。炎上した情報を匿名掲示板などでさらに拡散させれば、特定の人への中傷など人権侵害につながる恐れもある。社会全体でリスク回避を含めたネットリテラシー(活用能力)の向上を図りたい。

 伝統的には重言とされる「あとで後悔」「一番最後」といった表現について、「気になる」「気にならない」がほぼ拮抗(きっこう)した。「常日頃」や「1時間の間(あいだ)(に仕上げる)」なども日常的に用いられ、著名な作家も「あとで後悔」を使っていることを思えば、重言を一概に誤用とは断定できまい。

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