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【オリンピズム】“トビウオ”とその時代(11)本来の泳ぎではないことは自分が一番分かっていた…「引退」が浮かぶ敗戦

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【オリンピズム】
“トビウオ”とその時代(11)本来の泳ぎではないことは自分が一番分かっていた…「引退」が浮かぶ敗戦

 期待の大きさは当時の報道にも表れている。当時の新旧4人のアナウンサーの対談集が『「文藝春秋」にみるスポーツ昭和史』に収められている。

 《「水上は古橋の出る種目は全部優勝すると思うんです。400と1500、アメリカのコンノがどうのとか、ムーアがどうのとか言ってますけれども、古橋が出たら勝つ。それから800のリレー、この3つは確実に日本が勝つと思いますね」(飯田次男)

 「古橋が400で優勝したら、1500は完全に日本が優勝するね。その勢いに乗じて800も勝つな。ほかの連中の気持ちが違ってくるから」(河西三省)》

 古橋に対する絶対の信頼がうかがえる。しかし、金メダル確実だったロンドン大会から4年。その歳月はアスリートにとっては想像以上に長いものなのだろう。スポーツ医科学やトレーニング方法がまだ確立されていない時代とあって、実際にメダリストたちは若かった。例えば32年ロス五輪。金メダルの北村久寿雄は14歳、宮崎康二は15歳。銀メダルの小池礼三は16歳、牧野正蔵は17歳での表彰台だった。一方、古橋はまもなく24歳になろうとしていた。南米遠征でかかったアメーバ赤痢の影響を抱えたままで-。=敬称略(金子昌世)

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