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【正論】人間だけが「不倫」と騒ぐ不思議 昨今「いけない」と叫ぶのは「真面目型の男たち」だ 動物行動学研究家、エッセイスト・竹内久美子

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【正論】
人間だけが「不倫」と騒ぐ不思議 昨今「いけない」と叫ぶのは「真面目型の男たち」だ 動物行動学研究家、エッセイスト・竹内久美子

動物行動学研究家 エッセイスト・竹内久美子氏 動物行動学研究家 エッセイスト・竹内久美子氏

 昨年初めの、いわゆる「ゲス不倫」騒動以来、私は「不倫」についてのコメントを求められ続けている。最近では特に、議員の不倫について聞かれる。「議員たるものが不倫なんかしていいんでしょうか?」と。

 この際、はっきりと言っておこう。単なる浮気(ペア外交尾)に対し、わざわざ倫理に反するなどと大騒ぎ。本来、いいとか悪いとかではない(むしろ動物として大変重要な)問題に対し、わざわざよくないという価値観を導入しているのは人間だけなのである。

≪いかに自分の遺伝子を残すか≫

 動物はいかに自分の遺伝子を後世に残していくかが最大の課題である。しばしば「種の保存」とか「種の繁栄」とか言われるが、それは大変な間違いで、「種」ではなく、どう「自分の遺伝子」を保存し繁栄させていくかが問題だ。

 そのためには、繁殖の相手からより質のよい遺伝子を取り入れることが重要になる。質がよいというのは、免疫力や生殖能力が高いという意味である。動物の基本は、病原体などに打ち勝ち、生き延びることと、繁殖に成功することなのだから。

 そこで主にメスが、質のよいオスを探すことになる。なぜメスがオスを選ぶのかと思われるかもしれないが、深い事情がある。

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