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【正論】平和主義という「防波堤」は危うい 安保・国防は「脱情緒」の世界だ 元駐米大使・加藤良三 

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【正論】
平和主義という「防波堤」は危うい 安保・国防は「脱情緒」の世界だ 元駐米大使・加藤良三 

元駐米大使・加藤良三氏 元駐米大使・加藤良三氏

 敗戦という大型台風の被害に懲りて、平和主義の防波堤を造ることになった。「安全に安全に」を呪文のように繰り返しているうちに、次第に沖合にせりだし、気がつくと水平線の彼方(かなた)、非現実的な遠方にこれが築かれてしまった。

 そのために、防波堤の内側で大波が起こり、生態系がゆがみ、赤潮が充満し、このままで大丈夫かという懸念が強まってきた-。

 以上は日本に訪れうる状況をたとえ話風に述べたものである。

≪アメリカが助太刀してくれるだろう≫

 北朝鮮の問題が激しさを増し、Jアラートが鳴っても住民は「どこへ行けばいいのか分からない」という。もっともである。国民の多くはまずもって、北のミサイルは日本には来ないだろうと漠然と感じてきた。

 万が一飛んできても、自衛隊がPAC3やイージスシステムやらで全部撃ち落としてくれる、黙っていてもアメリカが助太刀してくれるだろうと思っている。

 私自身はもう少し慎重で、ミサイル防衛能力一つにしても、必ずしも万全とはいえないのではないかと考えてしまう。

 若い頃、アメリカの安全保障の専門家から、ソ連のミサイル攻撃に対してアメリカは迎撃によって持てる核能力の15~20%を残存させることができ、これだけ残ればソ連に対して壊滅的ダメージを与えることができるという話を聞いた。その数値の低さに驚いた記憶がある。

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