産経ニュース

【正論】深刻な人手不足 生産性向上へまず処遇改善を 甲南大学教授・加護野忠男

ニュース コラム

記事詳細

更新

【正論】
深刻な人手不足 生産性向上へまず処遇改善を 甲南大学教授・加護野忠男

加護野忠男・甲南大学教授(頼光和弘撮影) 加護野忠男・甲南大学教授(頼光和弘撮影)

 ≪経営者は値上げ恐怖症に陥るな≫

 国内の人手不足が深刻になってきた。人手不足の最も効果的な解決策は生産性の向上だ。

 日本企業が指標としてきたのは、従業員1人当たりの付加価値である。この指標をもとに生産性向上策を考えると、労働時間を増やすという安易な解決策がとられがちである。これは本来の意味での生産性向上の指標ではない。生産要素である労働時間の投入が増えているだけである。本来の生産性向上を図るためには、欧州のように労働時間1時間当たりの付加価値を指標とする必要がある。

 日本でもそれを経営指標とする制度がある。京セラで生み出されたアメーバ経営の管理手法だ。これに頼らなくても、付加価値を増やす方法は3つある。第1は、分母の総労働時間を短縮すること、つまり仕事の効率化である。分子の付加価値は、売上高から仕入れ金額を差し引いたものだから、それに注目すれば第2、第3の方法が見えてくる。

 第2の方法は仕入れ単価あるいは仕入れ数量を削減すること。第3の方法は売上高を増やす-具体的には販売数量あるいは販売単価の引き上げである。ただ販売数量を増やすと仕事が増え、労働時間も増えてしまう。生産性の向上に効果的なのは販売単価の引き上げである。

続きを読む

「ニュース」のランキング