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【ポトマック通信】危機で見える米国の底力

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【ポトマック通信】
危機で見える米国の底力

ハリケーン「ハービー」による洪水が襲った高速道路周辺=8月31日、米テキサス州(ロイター) ハリケーン「ハービー」による洪水が襲った高速道路周辺=8月31日、米テキサス州(ロイター)

 日本では北朝鮮の弾道ミサイル発射や核実験の陰で大きなニュースとはならなかったが、南部テキサス州を襲ったハリケーン「ハービー」とその後の集中豪雨は全米第4の都市ヒューストンのほぼ全域を一時的に水没させ、米自然災害史上最悪の約1900億ドル(20兆4840億円)に上る甚大な被害をもたらした。

 大昔にヒューストンに住んでいたときの記憶を掘り起こすと、同市はメキシコ湾沿いの広大な平地で、一帯には小川やバイユー(川の支流などで湿地帯のようになっている場所)が多数あった。日頃はのどかな風景なのだが、いったん雨が降ればあちこちで道路が水没したことを思い出す。

 市も治水対策をおろそかにしていたわけではないのだろうが、今回のような未曾有の豪雨には無力だったようだ。

 少なくとも70人が死亡する惨事の中で、救いだったのは全米が直ちにテキサス州の救援に動いたことだ。トランプ大統領も日頃の政敵やメディアに対する攻撃を控え、2度にわたって現地入りして支援を確約し、大いに株を上げた。

 社会や政治の亀裂が深まっていても、危機に際し一丸となる米国の底力は不変だ。今度はフロリダ州に大型ハリケーン「イルマ」が上陸。被災地は早く立ち直ってほしい。(黒瀬悦成)

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