産経ニュース

【正論】外貨枯渇で政権が長く持たない焦り 金正恩氏は短期戦に出てきた モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授・西岡力

ニュース コラム

記事詳細

更新

【正論】
外貨枯渇で政権が長く持たない焦り 金正恩氏は短期戦に出てきた モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授・西岡力

モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授・西岡力氏(森本幸一撮影) モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授・西岡力氏(森本幸一撮影)

 今年8月に国連安保理が科した制裁は、39号室資金を激減させる効果を持っていた。それまでの安保理制裁は39号室資金には打撃を与える水準ではなかった。8月の制裁は、(1)石炭など鉱物性燃料(2)鉄・鉄鉱石(3)水産物-の輸出を禁止している。大韓貿易投資振興公社によると、2016年の北朝鮮の輸出は28億ドル、輸入は37億ドルで9億ドルの貿易赤字があった。外貨収入の源である輸出内訳をみると、(1)は12億ドル、(2)と(3)はそれぞれ2億ドルで合計16億ドル、全体の約6割を占める。これが全部無くなるのだから打撃は大きい。

 8月の制裁決定の頃、金正恩氏は「核実験とミサイル発射をどんどんやれ。米国を軍事的に徹底的に圧迫して交渉に引き出せ」と命じたという情報がある。彼は短期戦に出てきたのだ。その背景には39号室資金が枯渇すれば政権は長く持たないという焦りがある。

 今回の制裁案に含まれている衣料品禁輸(7億ドル)が加わると合計23億ドルで、8割以上の外貨を失う効果がある。また、海外派遣労働者による年間5億ドル以上の稼ぎも失う。だから、北朝鮮外務省は声明で「(制裁決議が採択されれば)世界はわれわれが強力な措置を連続的にとって、いかにアメリカを罰するかをしかと目にすることになる」と脅しているのだ。

続きを読む

「ニュース」のランキング