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【ソロモンの頭巾】アメリカザリガニ 省力型の連続捕獲装置が登場 長辻象平 

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【ソロモンの頭巾】
アメリカザリガニ 省力型の連続捕獲装置が登場 長辻象平 

捕獲された多数の成体。回収室の天井(誘引室の床)中央部の漏斗を経由してたまる 捕獲された多数の成体。回収室の天井(誘引室の床)中央部の漏斗を経由してたまる

 日本中の池沼やため池、用水路といった浅い淡水の世界が脅威にさらされている。水藻の揺らめく澄んだ水から、濁り水に一変し、貝も小魚も水生昆虫も水生植物も姿を消していく。

 こうした深刻な劣化現象が列島の各地で進行中だ。アメリカザリガニの仕業である。子供たちが興味を抱くザリガニが水辺の生態系の大敵だったのだ。

 生命力が旺盛で、各地で対策に手を焼いていたのだが、人手をかけずに駆除できる「連続捕獲装置」が水産研究者によって開発された。水中に置いておくだけで1週間に200匹も捕れるのだから、すごい。

                   

 宮城県大崎市内のため池に、地元のNPO法人「シナイモツゴ郷(さと)の会」の副理事長、高橋清孝さんに案内していただいた。

 高橋さんは、同県水産技術総合センター内水面水産試験場長を務めた研究者で「全国ブラックバス防除市民ネットワーク」の会長でもある。

 木々の緑に囲まれた岸近くの水面に支柱で支えられた箱形の装置が見えた。

 「あれが連続捕獲装置です」。高橋さんは水面下から2段重ね構造の装置を取り外し、岸の草むらまで運んできた。

 上段が光の差し込む誘引室で、下段が暗い回収室。上下の連結を外して回収室の蓋を開けると暗赤色のアメリカザリガニの成体が数十匹もひしめいていた。

 高橋さんがこの装置の発明者だ。昨年、基本形を完成させて現在、特許申請中であるという。

                   

 水面上のボックス内には自動給餌装置が収められ、時間ごとに一定量の餌のペレットをダクト経由で水面下上段の誘引室の床に落とす仕組みだ。

 池の底にいるアメリカザリガニたちは、半径10~15メートルの範囲から餌に誘われて誘引室に入る。

 装置の秘訣(ひけつ)は誘引室の床に漏斗状の竪穴が開いている点だ。彼らは暗所に隠れる性質があるので、別の個体が入って来ると先入者は、下段の暗い回収室に移動する。そこからはもう出られない。

 餌場の誘引室が混雑していると、後からの個体が続かないが、常にすいているので次々入り、連続捕獲が成立する。アメリカザリガニの習性を巧みに生かした発明だ。

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