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【正論】日本「核武装」議論を忌避するな まずは通常戦力による敵基地攻撃力の整備に乗り出してもらいたい 福井県立大学教授・島田洋一

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【正論】
日本「核武装」議論を忌避するな まずは通常戦力による敵基地攻撃力の整備に乗り出してもらいたい 福井県立大学教授・島田洋一

福井県立大学教授・島田洋一氏(宮川浩和撮影) 福井県立大学教授・島田洋一氏(宮川浩和撮影)

≪米国に出始めた積極的容認論≫

 「日本核武装を対中カードに」という声が再び米国で聞かれ出した。中国が最も危惧するのは、北朝鮮の動きに対抗して日本が核ミサイル開発に乗り出す事態である。従って、中国を対北制裁に本気で取り組ませるためには、俗に言えば「中国の尻に火を付ける」には、日本の核武装を容認、それどころか積極的に促す必要があるという議論である。

 ここであるやりとりを思い出す。8年前、国家基本問題研究所が訪米団(櫻井よしこ団長)を出した際、政府要職も歴任した中国専門家との間で「日本核武装」が話題になった。その専門家は一言、「日本には能力はあるが意思がない。どこにも変わる気配はない。中国は見切っていますよ」。だから対中カード云々(うんぬん)という米側の期待は虚(むな)しいというのである。

 北の核が文字通り日本の生存を脅かすに至った現在、改めて問題を整理してみよう。日本は拒否的抑止力(ミサイル防衛など)は持つが、「核の傘」を含む懲罰的抑止力は全面的に米国に依存するという政策を取ってきた。ところで北朝鮮の場合、特に明確だが、懲罰の対象は一般民衆ではなく独裁者周辺である。指令系統中枢を確実に無力化する一方、一般民衆の被害を極力抑えられる攻撃態様があれば理想といえる。

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