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【オリンピズム】“トビウオ”とその時代(9)国際的地位を高めた大活躍

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【オリンピズム】
“トビウオ”とその時代(9)国際的地位を高めた大活躍

 「行くからには負けるな。堂々と戦ってこい」-。古橋広之進たち日本競泳陣は念願だった“対外試合”、それもロンドン五輪優勝者らとの直接対決の機会を得る。ロサンゼルスで開催される全米選手権への出場が許されたのだ。1949(昭和24)年8月のことだった。渡米に際し、日本を事実上支配していた連合国軍のマッカーサー最高司令官から激励されたことを古橋は覚えている。それが冒頭の言葉だった。

 ミッドウェー島などを経由してハワイ。さらにロサンゼルスへ。プロペラ機はよく揺れたそうで「飛行機酔いをした」と古橋。日本スポーツ界にとってこれが戦後初の海外遠征だったのではないだろうか。とはいえ、ロサンゼルスでは大歓迎といった雰囲気ではなかったようだ。大会前の新聞の論調は冷ややかで、「日本人のことはジャップだったし、私たちの世界記録も日本のプールは短いのだろうとか、日本の時計は回るのが遅いのだといった調子だった」。古橋は当時の様子をこう語っていた。

 だが、大会初日の16日。古橋は1500メートル自由形予選で、いきなり実力を見せつけ、冷ややかな雰囲気を吹き飛ばす。当時の時事新報は特派員電で、次のようにレースの模様を伝えている。

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