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【正論】プーチン氏は二重尺度を恥じない猛獣、安倍晋三首相はくれぐれも注意を 北海道大学名誉教授・木村汎

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【正論】
プーチン氏は二重尺度を恥じない猛獣、安倍晋三首相はくれぐれも注意を 北海道大学名誉教授・木村汎

北海道大学名誉教授・木村汎氏(川口良介撮影) 北海道大学名誉教授・木村汎氏(川口良介撮影)

 8月はロシアで屡々(しばしば)大事件が発生する。なかでも忘れられないのは、1991年夏のクーデター未遂事件である。同事件の首謀者の一人が、ウラジーミル・クリュチコフ・ソ連国家保安委員会(KGB)議長であることを知るや、KGB中佐だったプーチン氏は直ちに同長官宛てに辞表を提出した。

 「抗議しようとするならば、その意図を明らかにするために辞表を提出するのが本筋でないか」。当時の己の行動を誇るかのようにプーチン大統領は、米国の映画監督、オリバー・ストーン氏とのインタビューでそう語っている。

 監督が、米国の国家安全保障局(NSA)の方針に異を唱えてロシアへ事実上亡命することになった、エドワード・スノーデン氏の行動の適否について尋ねたときのことである。プーチン氏いわく。「シンプルな話だ。スノーデンがNSAに不満を抱いたのならば、まずNSAを辞職すべきだった」

≪首尾一貫しない大統領の言動≫

 しかし、プーチン氏本人はどうなのか。彼自身が首尾一貫した行動をとる人間とは評しがたい。KGB宛てに辞表を叩(たた)きつけたのは格好が良いものの、7年後にエリツィン大統領に請われると、氏は逡巡(しゅんじゅん)することなくKGBの後継組織、連邦保安庁(FSB)の長官に就任した。

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